【伝統技法「沈金」を施した筐体デザイン】
「沈金」は、漆器の表面などに、専用の刃物(沈金刀)で文様を彫り、漆を塗り込み、金箔や金粉を塗り重ねる装飾技法で、中国で生まれ日本で培われた伝統の技法です。漆が乾燥した後に、周囲の金箔か金粉を拭い取ることで、彫り込んだ文様部分にのみに金粉が残り、美しく繊細な模様が現れます。金が漆に沈んでいくことで、美しい文様が浮かび上がることから、「沈金」と呼ばれています。
SHICHIKU.KANGENには、この沈金によって美しい麻の葉文様が施されています。
この美しい文様をより美しく輝かせるために、本体色は呂色鏡面仕上げを施しました。呂色(ろいろ)とは、日本の伝統色の一つで、黒漆の濡れたような深く美しい黒色のことです。
【麻の葉文様】
「麻の葉文様」は、日本を代表する伝統の文様です。
DITAは日本の伝統工芸の技術や文化に高い関心があり、製品や付属品などに取り入れてきました。麻の葉文様はDITAからの提案で採用することになりました。
麻の葉は成長が早く虫が寄り付かないことから、健やかな成長と、邪気を祓う意味があるとされ、古来より神聖なものとして神事や家紋、浮世絵や着物の柄などに広く用いられてきました。SHICHIKU.KANGENの製作にあたって、DITAとfinalとの友情と成長が永遠に続くようにとの思いが込められています。
麻の葉文様は、他の多くの文様のように、麻の葉の外形から発展して生まれた文様ではありません。六角形を基にした純粋な幾何学模様として作成された文様が、のちに麻の葉に似ていることから名付けられました。 これは、科学と工学を人間のライフスタイルと文化に融合させる、SHICHIKU.KANGENの持つ哲学と共通するものです。
【輪島の漆職人】
沈金の最も重要である金粉を定着させる工程は、石川県輪島の名工と呼ばれる漆職人に依頼しました。輪島は、森林資源が豊富なことから質の高い漆の産地で、古くから漆工芸品の生産が盛んで多くの職人が誕生しました。
麻の葉模様の細かい溝に、漆を塗り込み、立体的に輝くように金粉を塗り重ねていく作業は、高い集中力と技術が必要です。
【共同開発による新しいドライバー「トゥルーベリリウム ドライバー Gen.SK」搭載】
目の前で楽器が演奏されているような「美しい高域」や、さらに「立ち上がりの良い音」を
実現するために、finalのA8000で採用されたトゥルーベリリウム振動板が採用されました。
また、本機のもう一つの特長である「広がりのある豊かな低域」を実現するために、ボイスコイルからの引き出し線と振動板との接着方法を新設計で開発しました。創業より複雑な樹脂成形や加工を得意としていたDITAによって、引き出し線と接着剤による振動板への影響が極めて少ない接着方法を治具から開発しました。
また、ボイスコイルの線材や内部配線は、標準ケーブルであるOSLOケーブル Gen.SKに最適なものを選定され、細部まで徹底的にこだわり抜いた新しいドライバー「トゥルーベリリウムドライバー Gen.SK」が新たに開発され、搭載されました。
【SHICHIKU.KANGENのために新しく開発された「OSLOケーブル Gen.SK」付属】
イヤホンはドライバーのから発せられた音がダイレクトに鼓膜に伝わるため、スピーカーでのリスニングに比べて音質の違いがわかりやすいといえます。そのため、ケーブルはイヤホンでのリスニング環境においては特に重要です。
ベースとなっているのはDITAの「OSLOケーブル」という特殊なオイルをコーティングした線材を使用したモデルです。
サメの肝臓からとれるスクワレンという、高級化粧品にも使われるオイルをコーティングすることで絶縁性を高めており、さらにオイルにブレンドされたゴールドとシルバーのナノ粒子がブレンドケーブル表面を滑らかにすることで導電性を高めています。
さらに、芯線の太さ、本数、編み方、被服の厚みなど数十種類も試作を繰り返し、最適なものに調整して
あります。線材に一度スリーブをかけたあと、編み込み、もう一度スリーブをかぶせる二重構造です。
イヤホン側端子はMMCXリケーブルに対応しており、プレーヤー側端子は環境に応じて3.5mm3極/2.5mm4極/4.4mm5極とプラグを付け替えることができる「AWESOMEプラグ」になっています。
筐体:ステンレス
仕上げ:呂色鏡面仕上 / 沈金 麻の葉文様
ドライバー:ダイナミック型(トゥルーベリリウムドライバー Gen.SK)
ケーブル:OSLOケーブル Gen.SK
コネクター:MMCX
感度:99dB/mw
インピーダンス:16Ω
重量:47g
コード長:1.2m
298,000円
2020年12月12日(土)
2021年2月下旬
伝統技法「沈金」を施した筐体デザイン
麻の葉文様
輪島の漆職人
共同開発による新しいドライバー「トゥルーベリリウム ドライバー Gen.SK
新しく開発された「OSLOケーブル Gen.SK」